Picture: Kay Quinn; Edit: @SpoonyFX

Shun Skywalker Interview: Without Love

Kay Quinn Editor

日本語版

(The English Version is here)

―― この間Dead or Alive 2024で3回目の金網戦に参戦しましたね。前の試合と比べて今回はどういう経験でしたか?

シュン 今回の金網戦は望んでもない闘いだったからね。あのメンバーで金網に入ったところで負け残るのはKzyか豹のどちらかなのは明らかだったわけで。あんな価値の無いヨゴレの髪の毛なんてあろうが無かろうがどっちでもいいし、それで一喜一憂するのは彼らの周りに蔓延っている頭と質の悪い脳内お花畑ファンだけだからね。
唯一期待していた展開は、ユニットリーダーらしからぬ超自己保身のKzyが亀井を踏み台にしてのエスケープだったけど、そんな間も無く亀井はKzyを残して出ていったね。
結果としてみればその後は特に波乱もなく、負け残りは豹。自然の摂理のまま。強い者が勝ち、弱い者が負けて裁きを受ける。
当然の結果ではあるけど、これが金網戦を決めたGMの望んだ未来だったんじゃないかな。

―― 試合に向かってNATURAL VIBESのリーダーであるKzy選手を破って自分のユニットから退団させるとうい目標を述べました。しかし、Kzy選手は、Z-Bratsに入る申し出を断ったストロングマシーン・J選手の助けを受けエスケープに成功。そういう結果を見ると、シュンさんはどういう考えですか?

シュン 僕にとってみれば金網に負け残ることになる「最も弱い人間」が豹なのかKzyなのか、それは知ったことではないので。大空を羽ばたいているハヤブサは、湿り腐った土壌で争っているドングリの背丈を知る由もないでしょう。
醜い争いで豹に勝ったのがKzyというだけで、そこに強さが無いのは明らかなこと。「自分より弱い存在がいて命拾いしたね」と彼のお尻を蹴り上げる権利を誰もが持っています。

―― それ以来、リーダーという位置はKzy選手からをJ選手に譲渡されたことによってNATURAL VIBESの新しい時代が始まりましたが、それでシュンさんは、Kzy選手やNATURAL VIBESに対する視点に変化がありましたか?

シュン NATURAL VIBESの新しい時代が始まったんですか?初耳ですね。古い時代があったことすら誰も認識していませんよ。彼らが何を築きましたか?何を残しましたか?強いて言うなら亀井やジェイソンの貴重な時間を無駄に浪費させた「罪」を残しましたね。彼らがこのリングでその贖罪をすることは不可能です。唯一彼らができる償いはリングから消えることです。リーダーを無能から無能に代えたところで何も誤魔化せない。


―― 元NATURAL VIBESのメンバーで、金網戦の舞台で肩を並べて戦ってくれたジェイソン・リー選手はここ数か月前新しくZ-Bratsに入ってきましたね。他のメンバーは誰でも断ってしまったのに、なぜリー選手だけがそちら側に行ったと思いますか?

シュン ジェイソンも亀井も、過ちに気づくことができた。だから最終的にNATURAL VIBESを捨てる決断ができたんでしょう。ジェイソンが僕の元に来たことに何か説明が必要でしょうか?間違った場所にいたことを辞めたというだけです。亀井に関して言えば、あの子は時間はかかってもいいからゆっくりゆっくりと素直になっていく必要がありますね。

―― ついにリー選手が入団した時、シュンさはもう2年近く入団させようと励んでいました。自らZ-Bratsのもとへ声をかけるリー選手の姿を見てどういう気持ちでしたか?

シュン 正直、そこに喜びは無かったですよ。どういう表現が相応しいかな。NATURAL VIBESを選んだジェイソンに対しては失望していたんですよ。やっぱりというべきか、“NATURAL VIBESのジェイソン・リー”は他のメンバーと同様に何も成し遂げられなかったでしょう。それでもファンがいてダンスで盛り上がって毎度の如く負けても慰め合って。もしかしたらそのままNATURAL VIBESとしてジェイソン・リーというレスラーが終わっていた可能性だってあったんです。でも自らの意思でその惰性を打ち破った。たとえ間違った選択をし続けていても、そこから人は変われる。これを伝えたい人間が他にも何人かいるよ。

―― 金網戦でリー選手とチームメイトとして組んでいましたが、MASQUERADE時代からここまで来て今の関係性に変化があったと思いますか?

シュン 一見、何も変わっていないように見えるだろうね。でも正直なことを言うと、一度であってもNATURAL VIBESを選んだことを僕は許すことはないね。

―― リー選手を「俺のもの」と呼ぶことについて「Z-Bratsに入った日以降シュンさんは言ってないです。触れてもいない。」とリー選手自身が最近の当サイトとのインタビューで言いました。その理由は?

シュン 僕は言うべきことは言うし、思ったことは隠さない。
ひとつ言えるなら、あの瞬間に彼がした選択、その事実はいつまでも消えないということ。


―― 金網戦での対戦相手の一人、JACKY KAMEI選手もこの2年間「俺の物」と呼んでいました。実際に、KAMEI選手を側に呼ぼうとするのは、2022年間のリー選手を側に呼ぼうとしたことに似ていると言えます。その試みを通して学んできたこと、及び今回のやり方へ影響を与えたことはありますか?

シュン 彼に僕が「俺の物」という言い回しをしていたとしても、それは亀井が僕の所有物であることを表しているのではありません。亀井自身が𝐒𝐇𝐔𝐍 𝐒𝐊𝐘𝐖𝐀𝐋𝐊𝐄𝐑を求めて、その隣で闘いたがっているということを伝えるためにした表現でしょう。亀井の想いも受け止めるし、亀井の現状打破にSHUN SKYWALKERが必須なのは誰の目に見ても明らか。心の声を口に出せるようになれば、亀井の躍進は確約されるでしょう。

―― 前は「(KAMEIは)心の中、こう言ってる。シュン・スカイウォーカーと共に戦いたい」と発言したにもかかわらず、そのKAMEI選手に何度も肉体的かつ言葉で拒絶されてしまいました。本音であるはずの行動と、実際の行動のズレをシュンさんはどう考えますか?

シュン これは精神と肉体の話で。𝐒𝐇𝐔𝐍 𝐒𝐊𝐘𝐖𝐀𝐋𝐊𝐄𝐑のそばにいることを欲する精神、片方でそれを拒む肉体。貴方だってしたいと思うことを全て行動に移せるわけではないでしょう。そう、肉体と精神の動きは必ずしも一致するわけではないんです。逆を言えば「なんだ、嫌がってるけど身体は正直じゃないか」みたいな台詞がありますね。どちらにしても、僕は精神と肉体の片方だけを汲み取って強制させるべきではないと考えます。それでも亀井が心で僕を欲する衝動はやがて肉体を司ります。それほど熱い激情があるんです。だから心で嫌がりつつも在籍していたNATURAL VIBES、身体が拒否できなかったBIG HUGに唾を吐きかける日は近づいてきています。

――「DRAGONGATE Xmas Tour 2023 in 札幌」で、手を人の口に入れることで「心の声」がわかると言しましたが、いつ、どうやってそういう能力があると確認しましたか?

シュン 4、5歳のときかな、癖でよく自分の指を咥えていました。その体勢がフィットするというか、妙に落ち着くというか。小学校に入学してその癖は無くなり、高学年となったある日、友達の家で、指にはめたとんがりコーンを指ごと頬張ったときのこと。「美味しくないなあ」遠くから、かすかに聞こえる誰かの声。いやはや、まさかそれが自分の心の声だったなんてね。

―― KAMEI、リー、ミノリータ、ソベラーノ・ジュニア、最近上野勇希も加えてそういう列に限られ、選ばれた選手だけに対しての行動だと表明し、そうしてノアの宮脇純太選手にそうやろうとしたのは「間違えた。気持ち悪かった」と後で口にしましたね。上記の5人はなぜ特別?

シュン なんだろう、宮脇純太の声を聞いた時、そこに「濁り」を感じたんです。純粋に心の声を聞きたいと思えば行動に移すわけですが、その結果こちらが拒否する場合もあります。やっぱり相性ってあるんですよ。

―― 選んだその選手たちについて、わかってきたこと、通じたことは?

シュン 𝐒𝐇𝐔𝐍 𝐒𝐊𝐘𝐖𝐀𝐋𝐊𝐄𝐑に恐れ慄いている人間、𝐒𝐇𝐔𝐍 𝐒𝐊𝐘𝐖𝐀𝐋𝐊𝐄𝐑に寄り添いたい人間、𝐒𝐇𝐔𝐍 𝐒𝐊𝐘𝐖𝐀𝐋𝐊𝐄𝐑と闘うことを願っている人間。様々ですね。


―― KAMEI選手に戻ると、Kzy選手の承諾で金網戦後NATURAL VIBESからBig Hugとういうユニットへ。NATURAL VIBESの、KAMEI選手のキャリアへの影響について非常に批判的であるシュンさんから見ると、そのユニット移動はKAMEI選手にプラスですか?

シュン NATURAL VIBESに居続けることもマイナスですし、BIG HUGに移ったこともマイナスです。それを賞賛するファンも御涙頂戴に感動するファンも、亀井にとってマイナスでしかありません。

―― KAMEI選手を手放すことにしたKzy選手をどういう風に考えますか?

シュン それは正しい捉え方ではありませんね。亀井は途中から気づいていました。NATURAL VIBESが本当は何も実態の無い空っぽのミラーボールだったことに。亀井の心がそこになかったことは言うまでも無いでしょう。
Kzyは亀井が脱退の選択をする一歩手前で起こりうるシチュエーションの中で最もマシな方法を選んだだけ。
それにまんまと騙されて「NVの絆」だとか「アニキの男気」なんて言ってるファンは一生騙され続ける人生を歩んでいくんだろうなあってね。

―― Big Hugの豹選手がKAMEI選手のために自分を犠牲にして結果、坊主になったのはくら替える判断の大きなポイントの一つですが、豹選手の志望とその結果をどう思いますか?

シュン  坊主になるのはKzyか豹のいずれかだったわけで、Kzyが坊主になってたら違う結末になっていただろうから、「豹負け残り坊主→亀井同情合流」っていうのは豹の立場から見れば最高の流れだったと思いますよ。そもそも豹髪の毛に一切の価値も無いんですから。


―― 試合に先立ってSNSで「歪んだ愛しか知らないシュンスカに本物の愛を豹が教えてやる」と豹選手は宣言しましたが、シュンさんが考える、そして豹選手が考える「愛の概念」の違いはどちらにあると思いますか?

シュン 彼の言うことは本当に軽いね。言葉に心が無いというか、上辺だけ取り繕っているのが見え見えで。結局最後まで「NATURAL VIBESからBIG HUGに移った場合、亀井がどうなるか」を語らなかったよね。そこに亀井の気持ちを汲む心は無かった。「俺たちBIG HUGには亀ちゃんが必要だ」主語はあくまで自分達で、行動原理は亀井になかった。比べるまでもない。対照的に僕は、亀井の「𝐒𝐇𝐔𝐍 𝐒𝐊𝐘𝐖𝐀𝐋𝐊𝐄𝐑の隣で闘いたい」という思いを汲んでいる。さらには、「心では願っていてもまだ肉体まで浸透していないから無理強いはしないであげよう」という心遣いまで持ち合わせている。
愛の無い抱擁は拘束でしかない。

―― Big Hugのメンバーとなった前、豹選手は「お前の唯一の理解者は同期の俺しかいねえだろう」と言ってシュンさんを現在Z-Bratsというユニットへ誘い説得しました。振り返れば本当に「理解者」だったと言えますか?

シュン あの時、石田凱士とEitaに紛糾されていた彼に、僕が正しさを感じたのは確かです。あの時点ではそうだったのでしょう。

―― 前回のインタビューにて、これまでのキャリアを振り返って違うようにしていたら良かったなと思うことはないと言いましたが、MASQUERADEを去ってZ-Bratsの発足する豹選手を手伝う選択もそうでしょうか?

シュン 最終的にMASQUERADEを捨てる彼らを発足メンバーとして選んでしまったことも、弱くて逃げ出す豹やマンテと同じ道を歩み出したことも、その時その瞬間の最善の選択をしたまでです。結果的にそれが「炙り出し」にもなりました。そんなちっぽけな存在の動向で後悔したりしませんよ。

―― 過去が何であれ、Z-Bratsのメンバーとして確実にDead or Aliveで勝ちましたね。結局勝因はなんだと思いますか?

シュン 「強さ」これだけです。全ての勝負はそこに帰結しますよ。相手がどれだけ惨めでも情けをかけないことも強さのうち。勝つための行動、思い、その全てが強さなんです。それが闘う前からわかってた我々と、そんなこともわからず金網に入った阿呆のコントラストは、朴訥とした金網をイルミネーションのように彩りましたかね。


―― その幕を閉じ、次は7月23日神戸ワールド記念ホール大会でのツインゲート王座の挑戦が決まっています。どのような思いですか?

シュン PARADOXっていうユニットに対しては、そもそも立ち上げから納得のいく部分が無いんですよね。功績も居場所もないまま中堅からベテランに差し掛かる人間たちが寄り合ってユニットを作ることになんの意義があるか、それを説明できる人はいないよね。実質的にNATURAL VIBESは終わった。じゃあ次の風紀活動に移行した、くらいで。そんな連中に居場所があること、まかり間違ってベルトを持っていること、それは放置しちゃいけないでしょ。ツインゲート王座なんかよりも圧倒的に価値の高い𝐒𝐇𝐔𝐍 𝐒𝐊𝐘𝐖𝐀𝐋𝐊𝐄𝐑が挑戦してあげるんだよ。彼らにはまず土下座して礼を伝えてもらわないといけないくらいなんだけどね。

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